Video Insatallation/2010/5min
Material - プロジェクター、スピーカー
2010 | 「Art in Busan Inter-City」@釜山市立美術館(韓国) |
2011 | 「VISUAL CIRCUS」@Visual Museum SKIP CITY(埼玉) |
2014 | 「東アジアの夢」@BankArt NYK Studio(横浜) |
2014 | 「ASIA Independent Art」@Yunseul Museum (韓国・金海) |
2016 | 「伊勢丹JAPAN SENSES」@新宿伊勢丹 |
2017 | 「Future Bodies of Asia」@Speedy Granma (バンコク) |
この作品は世界各地で撮影した様々な人たちの歩くシルエットで構成されています。アメリカ人はアメリカ大陸を、ヨーロッパ人はヨーロッパを、アジアはアジアを、というふうにそれぞれの国の人たちがひとつの世界を構築しています。環境によって、場所によって、人種や、もしかしたら宗教によっても、その歩き方も違うようです。
あらゆる小さなものたちが集まって、ある大きな世界を形作っているのだと、そんなふうに思います。ひとりひとりの歩き方を見れば、それらはみなバラバラですが、全体を見ると、それらはみな大きな流れのなかにいるようです。きっと私たちはあらかじめ決められたあるひとつの方向に向かって、歩いているのかもしれません。たとえ自分の好き勝手に歩いていると思っていたとしても。どちらにしても、やがてそれらはひとつの大きな世界を作ります。私たちはひとつであり、同時に無数であり、またそれぞれは矛盾していて、それでいてお互いの関係を保とうとしています。
いま私たちの眼の前にある世界は多様な文化と、多様な価値観を持った人々が、多様な方向性をもって、共に生きている時代だといえます。しかし都市に地図がいらないように、一見複雑なようで単純かもしれません。共生という言葉には単に調和、融合という意味だけでなく、妥協、対立、矛盾、複合といった意味も含まれていると思います。それらはそれぞれで、ひとつではなく、ひとつになることもない、といったところから出発しなければ、新しい世界にはたどりつけないのではないのかも。まずはそこから出発する。地図は持たず。
©2017 Keisuke Takahashi.